ひとこと

美人が幸せか? ブスが幸せか?

 私の義母は、戦時中、満州開拓団の一員でした。“日本の将来を一身に担う”との国策の基、夢を抱いた多くの若人が新天地 満州 に入ったとの事でした。 しかし、日本は、昭和20年8月15日、「無条件降伏」しました、更には、数日前より宣戦布告をしたソ連の侵攻は、歴史の示された通りであります。まさに九死に一生を得た状況でしたでしょう。

 

当時の話をよく聞きます。日本軍の解体後、ソ連軍の侵攻です。無秩序な状況の中 一般人は、男女問わず整列させられました。 男性は、八路軍への徴兵か・・・? 多くの人々が連れて行かれました。 女性は、一列に並べられ、美人の者を選りすぐりソ連軍が連れて行ったとの事です、“勝てば官軍、まさに傍若無人 好きかって放題”でした。 母は、背が低く、決して美人の類ではありません。残されたブス数名・・・、 「みったぐなしに生まれてよかった。器量、悪く生んでくれた親にこの時程、感謝した時はなかった・・・」とのことでした。 また父も同様の体験をしたとのことです。

八路軍の徴兵にあい、数100名も一箇所に収容された時に、「さなだ虫」が、体内で活発化し、大病になった。相手方は、「このような大病持ちは、役に立たない!!」として、放置されたとの事でした。「この時程、病気が我が命を助けた!! 今、80歳を超え、天寿をまっとう出来るのも、さなだ虫のお陰・・・!!」と人生を振り返る日々です。 このような事が、歴史の中にしばしば具現するものです。

 

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現代人は、美人が良い・・・

人の視線が快感・・・

華やかさが大好き・・・

 

などとして、きらびやかに、華やかに、分不相応な外見に走っておりますが、果たして、これが幸福の極みなのか・・・?などとして、きらびやかに、華やかに、分不相応な外見に走っておりますが、果たして、これが幸福の極みなのか・・・?

 

10年・20年・30年後、どのような生き方になっているのやら、見物ではないでしょうか? 人の価値観は、時によって変わる典型と申します。

 

本来の自己を見つめて、真理に包まれて 生きようではありませんか。

 

 

(正法眼蔵 現成公案)

佛道をならうというは、自己をならうなり、自己をならうというは、自己をわするるなり、

自己をわするるというは、萬法に證せらるるなり、萬法に證せらるるというは、自己の身心、

および侘己の身心をして脱落せしむるなり。

 

(正法眼蔵 自證三昧)

知識にもしたがひ、経巻にもしたがふ、みなこれ自己にしたがうなり、

和尚のひとこと