ひとこと

同じ事をおなじ様に(同事) 

 今回、玄妙さんがアラシカから帰り、禅師さまの香墨帖出版記念が有るとの予定があり、それに合わせて、来日して貰いました。

 家内を含め、玄妙さん、紀禅さんを含め、総勢4人で2,500キロの珍道中を実施しました。興雲寺の財源では新幹線で旅行は不可能です。毎回ながらマイカーでの出発です。

 香墨帖の出版記念祝賀会は、名古屋で開催されましたので、名古屋城の前の立派なホテルで宴会、終わって同ホテルに宿泊し、大津の外孫・拓士、泰乙に会うため向かいますが、途中関ヶ原にヨリ天下分け目の古戦場を見学し、大津に入りました。活発な拓士くんが、「早く着いたら小学校に来て、4番のユニホームでサッカーの試合をしているから」との案内に答え、孫の雄姿を見学、応援し、会食懇談、一泊し、福井を訪問しました。

弟子の道興が、祖院を送行後、再度、只管打坐を参究したいとの事で、御誕生寺に安居させました、半年過ぎたころ、住職が引退するお寺が有るとのことで、只管打坐の参究が何処へいったやら、入寺した敦賀長谷寺を訪問し、玄妙を諸堂拝観させました。しかし 道興も師匠との約束を守り、毎日坐禅を実行していますので、有難い弟子です。 禅師様との約束した午後1時過ぎ、師匠様をお尋ねした次第です。

 毎回そうですが、家内は小柄、玄妙さんは細く縦長。家内は人参、玄妙さんは長ネギの形容が最も似合う二人です。このペアーをお会わせすると、禅師様は大変元気になられます。これに学歴に弱い師匠ですので、東北大で博士号を取得した道興和尚に、法政大学で沢山 博士を輩出し紀禅和尚を加えると、まさに鬼に金棒の如く、時間のたつのを忘れるひと時です。

 今回の訪問で、最も勉強したのは私です。93歳になられた堂長老師ですが、従来と同じく・・・私自身いつもと変わりない様にお話ししましたら、「君の話は早い・・・はやい」と注意を受けました。1時間半ほどの、弾むお話でしたが・・・途中 握手をしましたら、「よーよー・・」と、わたしの力が強い、みたいな 表情をなさいました。

帰り際・・・「ワシも送るとの事で、玄関外までお出ましになりました。足元を来たら雪駄に親指が入っていません。それでは転ぶ心配が有りますからと、姿勢を低くし、足元を再度入れ替え用としたところ、・・「いてぇ いてぇてー」との言葉でした。

 

わたし自身、三沢の社会福祉法人同仁会 やすらぎ苑を開設した折、開設理事として、法人開設、新築工事から、介護士、看護師に老人介護の心持ち等を毎回 毎回、「心が大事、心が大事「」、相手の立場になって・・・」などと、教育 講釈したものでした。

しかし、その講釈は、頭よがりの非理屈、身体が実践ない非理屈の口先 三寸だった、深く反省した所です。

仏教も正に、身体から吹き上がる、ナマの行動が布教の最高の手段、この事を肚に据え、頭でっかちの口先 三寸は、特に注意が厳禁。生きた教えを生活に反映させなければと、自戒した今回の訪問でした。

道元さまのお諭しに、「・・・同事これ即ち4枚の般若あり」とありますが、言葉は知っていても、身体がその事態に即応するよう・・・口先で対処しない様にしたいものです。今回の最大の教えが、この同事でした。

山形の国和さんの奥さんが「方丈は、老人には老人にない、子供には子供になって」と主人のの生き方を教えたにも関わらず、体で勉強していなかったと猛反省した所です。

和尚のひとこと