・ 葉は掌状に掌状に5深裂する。【日本の樹木】
・ 別名 silverleaf maple , white maple , river maple , swamp maple , water maple
・ 種小名の saccharinum はシュガーメープルの種小名“saccharum”と同様に、
いずれもギリシャ語の “sakcharon”に由来し、「砂糖、甘い」の意。
・ シルバーメープルは、米国東部及び中西部で最も成長の早い落葉樹のひとつである。
1年に3~7フィート成長する前駆樹種であり耐陰性はない。シルバーメープルは北米では最初に
開花するカエデで、その材はソフトメープルに区分されている。
シルバーメイプルはしばしばアメリカハナノキ(Red Maple)と混在自生しているが、識別は容易である。
シルバーメイプルは本来より大きな果実(samara と呼ばれる)をつけるより大きな木である。なお、
両者は米国内では唯一春に種子を散布するカエデ類である。
本種はバイオ燃料生産について真剣に検討されるほどの成長速度を有する数少ない種である。
最近では灌木のヤナギやポプラのハイブリッドがより注目されているところであるが、シルバーメープル
はこの利用のための試験が米国中西部で続けられてきた。
アメリカの原住民はこの樹液を咳、差し込み、赤痢、爛れ目、はしか、長く続く痛み、利尿剤、
性病等の多くの治療に利用していた。
良好な土地のシルバーメープルは木材用として経営可能で、しばしばレッドメープルと一緒にして
“ソフトメープル”として伐採・販売される。
シルバーメープルの材はかなり硬く、肌目は均一で、ややもろく、加工性はよい。家具、高級家具、
鏡板、フローリング、旋削、化粧板、楽器、箱や木工作、道具柄、ワゴン、カート、横木に利用される。
シルバーメープルは、移植が容易で、土地適応性が広く、成長が早く、樹型がよいことから、多くの
都市部で鑑賞樹として大量に植栽されてきた。【USDA】
・ かつては人気のある景観樹であったが、現在では枝や小枝がもろくて折れやすく、地上を散らかす
ことや園地や芝生に大量の種をまき散らすことから、しばしば園地から排除されている。
② シュガーメープル(Sugar maple)、サトウカエデ Acer saccharum
シュガーメープルの葉 シュガーメープルの紅葉 紅葉と黄葉の様子
シュガーメープルの花 シュガーメープルの若い果実 カナダ国旗
(メープルリーフ・フラッグ)
・ 北米東部原産で樹高は25~37m。多くは雄株又は雌株のいずれか(本種は本来雌雄異株)であるが
、しばしば雄花と雌花が同じ木に同居(つまり雌雄胴株)するものがあり、さらにこれらが別々の枝に
つく場合がある。
別名hard maple ハードメイプル, rock maple , head maple , sugartree ,(bird's-eye maple)【usda】
・ 葉は掌状に3-5裂する。秋の葉色は多様性に富む。
・ 種小名の saccharum は砂糖の意で、属名としての Saccharum は「サトウキビ属」の意でもある。
・ シュガーメープルは、その樹液中に、他のカエデ類の2倍に及ぶ糖分含有量があり、今日、
商業的なシロップ生産に供される唯一の樹木となっている。樹液はふつう春に採取され、煮詰めるか、
逆浸透により濃縮され、35~40リットルの樹液から1リットルのシロップが得られる。
1本の木で1年に50から60リットルの樹液が得られる。
シュガーメープルは鑑賞樹あるいは緑陰樹として広く植栽され、多くの栽培品種がその成長、
樹冠の形、成熟期の樹高、秋の葉色、葉形、気温耐性等の違いに基づいて選抜されてきた。
シュガーメープルは材が硬くて重く、強いことが評価されている重要な木材であり、一般に家具、
鏡板、フローリング、化粧板に利用される。さらに銃床や道具柄、ダイボード、木製品、小物類、
スポーツ用品、ボーリングピン、楽器にも利用される。【USDA】
・ シュガーメープルの葉はカナダの国章である。【Britannnica Online】
・ カナダの国旗にはこの木(サトウカエデ)の葉が1枚描かれている。【平凡社世界大百科事典】
・ カナダの国旗はこの葉(サトウカエデ)の葉をデザインしたもの。【山渓 日本の森林】
・ 以前は樹皮を深く傷つけ、集めた樹液をくり抜いた切り株に注ぎ入れ、熱した石を放り込んで
水分を蒸発させ、メープルシロップを作っていた.今日では、樹液は幹に軽く刻み目をつけて
直接プラスチック製の桶に入れ、管で中央の貯蔵タンクにつないでいる.【樹木(新樹社 )】
(注)カナダの国旗や国章にはカエデの葉がデザインとして取り入れられていることが知られている。カナダ政府関係のHPでは単に 「メープル・リーフ・(フラッグ)」the Maple Leaf (Flag)と呼んでいて、カエデの種類については特に明記していない。実態的にはメープルシロップの主たる供給源として先住民以来、特に利用されてきたサトウカエデが強くイメージされていて、これに言及した説明・講釈も多く目にする。しかし、葉形の似たカエデが複数あって、単純化したデザインとして取り扱っていることや、サトウカエデがカナダ東南部に偏在することなどから、公式にはあえて種名にこだわり特定するような解釈・解説は積極的には行っていないように思われる。
右の写真はメープル・リーフ・ペニーを透かし彫りにしたネクタイピンで、この1セント硬貨自体は既に流通が終了している。
カナダの1セント硬貨を加工した
ネクタイピン(部分)