ひとこと

境内の木 モクゲンジの木

八戸の南に歴史に培われた階上町が存在致します。そこに推定800年を超えるとされるサイカチから自生した子供の木を拝領に訪問した折、お寺に縁のあるムクゲンジの木も御喜捨するとのことで移植したのがこの木です。古くからこの木の実で数珠を作り檀信徒の教化に寄与したとのことでお寺と縁の強い木との事です。
 平野家のムクゲンジは六戸町月窓寺様のムクゲンジの実から自生したものを應物寺三世住職様が寄贈し移植したとの事です。これも有難いご縁です。

奇妙な名前はムクロジが変化したもの
芽吹きの様子 芽吹きのころの特徴的な葉
初夏の頃の葉の様子

モクゲンジの花は夏に咲く 一つ一つの花は小さいが、よく見ると美しい
花の後には袋状の実ができる

果実は長さ約3cm、3室がある。 果実の内部
【モクゲンジとは】
・中国及び朝鮮半島を主な原産とする落葉樹。センダンのような葉を持ち、種子が数珠の材料になることから、別名「センダンバボダイジュ」とも呼ばれる。

・日本には古くに渡来し、別名センダンバノボダイジュにちなみ、実用的な意味合いもあって主に寺院に植栽され、現在では大木となっているものも多い。

・日本海側の限られた地域(富山、福井、兵庫、山口等)では野生のものと見られるモクゲンジがあるが、その数は次第に減少しており、天然記念物に指定されるものもある(ただし、これらは栽培品であり野生ではないとする説もある。)。

・モクゲンジという名前は、ムクロジの中国名(木患子)を音読みした「モクカンシ」が転訛したもの。ムクロジと本種を混同したことに由来するという(諸説あり)。

・鳥の羽根のような葉は3~7対の小葉からなる。小葉の形状は複雑で、新緑のころは特に美しい。葉は枝から互い違いに生じ、全体では長さ45センチほどになり、環境が良ければ秋には綺麗に黄葉する。別名のセンダンバノボダイジュは、葉がセンダンに、種子がボダイジュ同様、数珠になることから。

・7月から8月にかけて画像のような黄色い花を咲かせる。花は高さ30センチほどの円錐状で独特の香りがあり、ミツバチにとっては格好の密源になる。なお、花の散る様子を金色の雨に例えて「Golden rain tree」という英名がある。花は雌しべと雄しべを持つ両性花で、花の中心部は赤い。

・秋になるとホオズキのような袋状の実をつける。実には直径6mm程度の硬い種子(金剛子という)が3~6個含まれており、数珠や首飾りとして加工される。また、これを炒めて食用とすることもある。

【育て方のポイント】
・やや寒さに弱いが、本州以西に植栽できる。
・日当たりがよく、かつ適度に湿気のある場所を好む。
・苗木が市販されているが、大きくなることや寺院のイメージがあること等から一般家庭で植栽されることは少ない。狭い場所向けには、横幅が広がらない「ファスティギアータ」という種類がある。

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