ひとこと

境内の木 桂の木

形態・生態
 高さは30mほど、樹幹の直径は2mほどにもなる。
 葉は4~8cm位の対生でハート型に似た円形で丸く丸治薄い、のが特徴的。
 葉枝は、細長く2~4cm。
 花期は3から5月で、雌雄異株である。雌花は細長い角のような紅紫色の雌蕊が3から5個突き出す。雄花は紅紫色の細長い雄蕊を十数本ぶら下げる。
 秋には黄色く紅葉する。落葉は甘い香り(醤油の良いにおいに似ている)を呈する。成長すると主幹が折れ、株立ちするものが多い。
特徴
日本各地、中国、朝鮮半島に分布する。街路樹や公園樹に利用され、アメリカなどでも植栽されている。日本で自生するものはブナ林域などの冷温帯の渓流などに多く見られる。
日本においては山形県最上郡最上町にある「権現山の大カツラ」が最も太く、地上から約1.3mの位置での幹周が20m近くにまで成長している。
中国の伝説では、「桂」は「月の中にあるという高い理想」を表す木であり、「カツラ(桂)を折る」とも用いられる。しかし中国で言う「桂」はモクセイ(木犀)のことであって、日本と韓国では古くからカツラと混同されている(万葉集でも月にいる「かつらをとこ(桂男)」を歌ったものがある)。「香りが出る=香出(かづ)る」が名前の由来という説がある。
用途として、街路樹として植えられるほか、材は香りがよく耐久性があるので、建築、家具、鉛筆などの材料に使われる。また、碁盤、将棋盤にも使われるが、近年は市場への供給が減っており、貴重な木材となりつつある。
桂皮(シナモン)は、同じ桂の字を使うがクスノキ科の異種の樹皮である。

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