ひとこと

境内の木 菩提樹の木

菩提樹の木
 私が修行した金沢の大乗寺には、歴史が貯蔵された碧巌蔵の脇に、月舟様が永平寺から移植なされた菩提樹の木が葉を洋々と広げ涼を作り出しておりました。
 その月舟様ゆかりの菩提樹の木から実を自生させたのが本堂玄関左側と階段右奥と駐車場左側道路との境界線上に移植し、計三本あります。
 特に本堂玄関左側の菩提樹は六月頃に花を咲かせ、香ばしい香りをにおわせ、秋には実を回転させながら宙を舞い風情を醸し出しております。

ボダイジュ(菩提樹)
ボダイジュ(菩提樹)とはシナノキ科の植物の一種。
特徴
中国原産の落葉高木。高さは10mほど。
花期は6-7月頃で淡黄色の花を咲かせる。日本へは、臨済宗の開祖栄西が中国から持ち帰ったと伝えられる。
日本では各地の仏教寺院によく植えられている。
釈迦は菩提樹の下で悟りを開いたとして知られるが、釈迦の菩提樹は本種ではなくクワ科のインドボダイジュ(印度菩提樹)のことである。中国では熱帯産のインドボタイジュの生育には適さないため、葉の形が似ているシナノキ科の本種を菩提樹としたと言われる。

菩提樹はお釈迦さまに縁のある木の中で特に有名な木です。
インドではアシュバッタあるいはピッパラと呼ばれ、古くから聖木として扱われて来ました。また、数珠の材料や薬の原料としても利用されています。
漢訳では阿説他(あせつた)、畢鉢羅 (ひはつら)と音写します。お釈迦さまがこの木の下で、座禅を組んで真理(菩提)を悟ったことから、悟りの木=ボーディ・ブリクシャ=菩提樹と呼ばれるようになりました。
菩提樹は常緑の高木で、高さは30m位になります。葉先が細長くなっているのが特徴です。先端が細長いのは雨の多い地帯に特有の形で、雨をスムーズに受け流すように発達したといわれています。
日本でふつう菩提樹と呼ばれている木は中国原産のシナノキ科の木で、インドの菩提樹とは異なります。インドの菩提樹はクワ科です。同じクワ科でも葉先が細長くないものは、ベンガル菩提樹と呼ばれています。こちらもやはりインドでは聖木とされています。
インド菩提樹は熱帯植物のため寒さに弱く、中国では葉の形が似ているシナノキ科の木を菩提樹と称しました。日本には天台山のものを栄西禅師が12世紀に伝えたと言われています。
インド菩提樹は寒さに弱いのですが、日本でも暖かい地方ならば露地でも育ちそうです。ちなみに当寺(東京都台東区) では鉢植えのインド菩提樹が本堂内(暖房なしで昼間は開放状態))で冬を越せました。露地では残念ながら枯れてしまいました。大きさの関係もあるかもしれません。暖かいときはすくすくとよく育ちます。また挿し木も比較的よく着きます。1枚の葉を挿して、1年で40cm位に育ちます。

お釈迦さまに縁のある三つの木。 三聖木と呼ばれます。
お釈迦さまが生まれた所にあった木。・・・・・・無憂樹(むゆうじゅ)
お釈迦さまが悟りを開いた所にあった木。・・・印度菩提樹 (いんどぼだいじゅ)
お釈迦さまが亡くなった所にあった木。・・・・・沙羅双樹(さらそうじゅ)

和尚のひとこと